逆流性食道炎とは
逆流性食道炎は、主に胃酸が、本来、酸に弱い食道に逆流するために起こる食道粘膜の障害性炎症です。逆流性食道炎の多くは、食道と胃のつなぎ目に発症し、進行すると、食道粘膜びらんを生じ、そこからの出血や食道狭窄(せまくなる)を来します。
最も多い症状は、みぞおちから胸の後ろが焼けるような感じ(胸やけ)や、酸っぱい液体が上がってくる感じ(呑酸症状)です。これ以外にも、胸の痛みや喉のつかえ感、異物感、風邪でもないのにしつこい咳やいがいが感が続くなどの症状があります。なお、これらと似た症状を持つ、肺や心臓の病気もありますので注意が必要です。
もともとは欧米人に多いとされてきましたが、食生活の欧米化や肥満人口の増加により、我が国でも比較的若い世代から多く見られるようになりました。
逆流性食道炎の原因
胃の内容物が食道へ逆流するのを防止する弁である下部食道括約筋が緩んでしまうことが原因です。
これは、肥満や加齢などが原因である食道裂孔ヘルニア(胃の上部が食道にはみ出す)が関係しています。
さらに、食生活の欧米化に伴い、脂こい食事が増えたための胃酸が出過ぎや、高齢者においては、食道から胃へ食物を送り込む機能が低下し、食物が食道に長く留まる(食道クリアランスの低下)ことにより、逆流が悪化します。
逆流性食道炎の治療法
食生活を含むライフスタイルの見直しと同時に薬物治療をすることにより、多くは症状が改善します。
治療開始が遅れ、時に食道狭窄を来した場合には、内視鏡治療や手術で治療することもあります。
治療薬はどんな薬ですか?
逆流性食道炎の治療薬は、基本的に胃酸の分泌を抑えるお薬を内服します。
逆流性食道炎は、胃酸の出過ぎにより、胃酸が食道に逆流することで起こる病気なので、胃酸を強力に抑えるお薬(PPI)が必要です。
いつまでお薬を飲みますか?
基本的には、約2ヶ月間が投薬治療期間となりますが、胸やけなどのつらい症状がとれてとしても、治ったとは限りません。
さらに、逆流症状は、ほぼ100%再発すると言われていますので、維持療法を行う必要がある時もあります。