痔の種類
痔は、肛門周辺の炎症によって起こります。
- 痔核(いぼ痔)
- 裂肛(切れ痔)
- 痔瘻(あな痔)
の三つに大きく分けられ、肛門疾患の80%はこれらです。
それ以外に、肛門の周囲に膿みをもつ肛門周囲膿瘍も比較的多く認められ、耐えがたい肛門痛や高熱の原因となることもあります。
痔の原因
いぼ痔(痔核) |
主に直腸の静脈に血のかたまり(血栓)が詰まってできます。出血と飛び出し(脱出)が主症状の内痔核と肛門の痛みが主症状の外痔核があります。 |
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切れ痔(裂肛) |
肛門の皮膚(上皮)にできた裂け目(裂創)で、多くは固い便をした時のいきみが原因です。 急性の切れ痔(急性裂肛)の場合には、便をする時の肛門痛が主で、出血を伴うこともあります。慢性化すると、潰瘍が繰り返しできて狭くなり(肛門狭窄)、便をするたびに肛門が痛くなることがあります。 |
あな痔(痔瘻) | 裂肛の細菌感染や肛門周囲膿瘍の後に発症し、肛門の痛みとともに多くは膿みを伴います。 |
痔の悪化の原因は?
- 便秘と下痢
- 飲酒
- お尻の冷え
- ストレス・疲労など
が悪化の要因と言われています。やはり、便秘は悪化の主要因ですが、下痢等で便回数が増えてしまった時も注意が必要です。深酒や長時間の座位なども悪化の原因になると言われています。
痔の治療法
「痔は医者にかかるとすぐに手術される」という様なことは、全くありません。 手術が必要な患者さんは、15%〜20%程度です。欧米では10%以下とさらに少なく、欧米人は受診への抵抗感があまり無く,早期に治療を受けるからだと言われています。
痔は、良性疾患ですので、お薬の治療が基本となります。専門の痔の座薬や内服治療により、ほとんどの痔症状は改善します。ただし、あな痔や肛門周囲膿瘍は原則として、手術が必要となります。痔の自覚症状を認めてから医療機関を受診するまでに平均7年かかっているというデータもあり、また直腸癌が潜んでいる可能性も否定できないので、ぜひご相談下さい。