高血圧症とは
高血圧は“沈黙の殺人者”といわれています。
ほとんどの場合は自覚症状がなく(沈黙しており)、高血圧が続くと全身の血管の動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞・心不全・腎不全など生死に関わる心臓・腎臓・血管の障害が出て初めて症状が出ることが多いからです。
高血圧かどうかを知るためには健康診断などで血圧を測定するか、家庭で血圧を測定することが必要です。
血圧は年齢とともに高くなります。症状がないからといって検診を受けず、あるいは家庭で血圧を測ったことのない方の中には実際は高血圧の方が潜んでいると考えられ、これを放置しておくのは大変危険です。
現在、日本に約4000万人と推定されている高血圧患者のうち実際に治療を受けているのはわずか2割の約800万人と言われています。(高血圧学会HPより一部改変)
高血圧症の原因
高血圧の9割は原因が明らかでない、本態性高血圧です。
遺伝的体質に、食塩摂取過剰、肥満、アルコールの多飲、ストレスなどの生活環境が重なって起こるとみられています。
血圧の基準値
高血圧治療ガイドラインで定められている血圧目標値および至適血圧値 | |
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75歳以上の患者さん |
まずは150/90mmHg未満 可能であれば140/90mmHg未満を目標に |
75歳未満の患者さん | 140/90mmHg未満 |
蛋白尿を伴った慢性腎臓病・糖尿病を合併している患者さん | 130/80mmHg未満 |
至適血圧値 | 120/80mmHg未満 |
高血圧症の治療
まず、生活習慣の修正を基本に、食事・運動療法を施行します。
高血圧のレベルが高くなるにつれ、生活習慣の修正だけでは高圧目標を達成することが難しくなり、薬物療法が必要になります。血圧のお薬により、心血管病の発症を予防する効果が増すことがわかっています。
また、高血圧の方は、2倍弱ほど認知症を発症しやすく、しかも、血圧が高いほど、認知機能が低下しやすくなります。その差は、高齢になるほどはっきりします。
将来の認知症を防ぐためにも、中高年の時から,しっかりと血圧を管理しましょう。